岡田行雄 (おかだゆきお)
熊本大学大学院人文社会科学研究部/教授
1969年長崎市生まれ。 1991年九州大学法学部卒。
1996年九州大学法学部助手を皮切りに、聖カタリナ女子大学社会福祉学部専任講師、九州国際大学法学部助教授、熊本大学法学部准教授、同教授を経て、2017年4月から現職。
このたび、NPO法人オリーブの家の理事に新しく就任することになりました、岡田行雄と申します。
青木さんと初めてお目にかかって以来、青木さんの数々の取組みを『月刊オリーブ』等を通して知り、感銘を受けてきました。加えて、私が、熊本少年友の会の付添人として、少年鑑別所に収容されたりした少年たちのために活動するようになってからは、そうした少年たちに帰れる適切な家族がない場合に、オリーブの家で受け入れていただくなど、オリーブの家に何かとお世話になってきました。今回、青木さんから理事就任のご依頼を受け、青木さんの活動に少しでも協力できたら、そして、これまでにオリーブの家の皆さんから頂戴してきたご恩に少しでもお応えできたらと思い、力不足かもしれませんが、お受けした次第です。
かつて『月刊オリーブ』で連載をさせていただいたことで、私のこれまでのことや研究についてご存じの方もおられるのではないかと思いますが、私自身、いじめや虐待等の被害を受け、学校に居場所がなく、ゲームセンターだけが居場所となってしまい、そこで遊ぶがために非行に走った経験があります。その後、たまたまラッキーが重なって、学校が居てもいい場所となり、周囲から認められるようになって、現在の仕事に就けているだけに過ぎません。これまでの拙い研究を通して、犯罪者あるいは非行少年と呼ばれる人々がどれほど深い傷を社会から受けてきたかを学ぶにつれ、そうした人々には、社会の中で居場所がないだけでなく、周りから褒められた経験もないことを知りました。そこで、そうした人々のための居場所、そしてその人々が活躍できる場所も作ることが大きな課題だと思うようになりました。
オリーブの家が、まずは、そうした居場所のない人々のための居場所としての役割を果たせるよう、そして、オリーブの家から羽ばたいて社会の中で活躍できる場所が見つかるよう、微力ではありますが精一杯務めたいと念じております